時間の奪い合い

 可処分時間を奪い合う。それが今の娯楽の世界、か。

 「ゲーム再考」は「絵を描いて生きていく方法?」と同じく楽しみにしている連載なのだが、そのゲーム再考六月号で触れられた「可処分時間の奪い合い」という言葉が脳に残る。
 言葉自体は俺も聞いた事が有るし、日本では生活のコストが高く可処分時間そのものが少ないと言われているのだから、その数少ない時間を膨大な娯楽が奪い合う訳だ。

 時間を消費する側は常に冷徹だ。
 自分にとっての快を確実に選び取って行く。
 隙間時間で出来るパズドラが流行り、似たようなネタでひたすら主人公のサクセスストーリーが展開するラノベが流行る。そりゃそうだよな。消費する側には長ったらしいお使いゲームやプレイ時間を水増しする為だけに構築されたゲームをするような時間は無いし、物語の二転三転とそれに伴う気分の高揚と沈鬱が生み出すドラマ性に付き合うほど、精神的余裕も時間的余裕も無い。それが有る人も居るし、余裕をバックボーンとして長期的な(あるいは重厚な)面白さを求める人が居るのも確かだが、多数派はどちらだ? と言えば、圧倒的に前者だろう。
 これに金銭が絡めばより熾烈な争いになるのは目に見えている。

 翻って、金銭はかからないが時間は消費させるコンテンツを提供する側に俺も居る訳だが、まぁぶっちゃけ時間を消費するほどの価値を提供出来ているとは思えないんだよな。
 まぁ実際、さしたる価値がない事は閲覧数や直帰率などを見ても解るし、TumblrやTINAMIを見てもそれは証明されている。悔しさや忸怩たる思いが無い訳じゃないが、結局の所実力不足という納得の理由が有る以上、感情だけを動かしても仕方の無い事だ。
 この上で、金銭まで得ようとするのがどれだけ滑稽か。流石に解らないほど鈍くはない。

■確かな実力が有ったとして

 だが、仮に本当に確かな実力があり良いものを作る力が身に付いたとして、それは成功に繋がるのか? と言えば、この娯楽の世界はそう単純なものでもない。
 確かな面白さ、魅力が備わっているものは確かに広がり易い。
 だが、それ以前に現代は情報の洪水とも言えるような世界だ。その中で例え良いものを作っていたとしても発信しなければ誰にも気付かれない。
 Tumblrで流れて来たツイートに「AKBの音楽が売れて、もっと質の高い音楽がなぜ売れないのか。それは消費する側が音楽に辿り着くまでのコストを払うほどの余裕が無いからで、AKBは膨大なマーケティング費を注ぎ込みそのコストをゼロにしようとしているからだ」というのがあったが、これは音楽に限った話でもない。
 世にはメディアのゴリ押しは嫌われるし俺も実際嫌いだが、そうせざるを得ない状況になっていると言うのは確かに有ると思う。ゴリ押しするほどに情報を押し付けなければ、情報の洪水の中で木っ端のように容易く消えてしまう。消えてしまったら、当然人に届く確率は格段に低くなる。自分自身で探し出す余裕とエネルギーに満ちた人間は確かに居るし、彼らに探し当てられれば何の問題も無いかも知れないが、彼らは絶対数が少なく得てして確固たる好みと高い質を求めている場合が多い。そこで拾い上げられるかはハッキリ言って運でしかない。
 仮に運良く拾い上げられたとして、そこから拡散するかどうかもまた運だ。
 世のアイドル産業がひたすらにゴリ押し、メディアが売りたい娯楽をとにかく表に出そうとするのは、まぁそれが「まだ分の良い賭け」だからに他ならないわけだな。
 そしてそれだけ膨大な力を入れてゴリ押ししたとしても、賭けは所詮賭けに過ぎずゴリ押ししようとした対象の実力や魅力がそもそも他者の評価に耐えられない場合もあるしな。
 この世の娯楽は、まさしく荒野を行くがごとし。
 確かな実力と魅力を持ち、世に広まったそれはまさに奇跡とも言えるかもな。
 それでも賭けずにはいられないのだから、俺も業が深いもんだ。

■組み替えに本気出した

 数少ないフィードバックなんだ、本気出さないとな!
 と言う事で、カレンダー導入。
 増やすのではなく削る方法を最初は使ったが、あまりにも見栄えがしないので結局複数のウィジェットを追加すると言う暴挙に出た。削ったものもあるんだが増やした方が目立つ。
 結果を見てもらってるから書く必要は無いが一応、解説。

 最大の変更点である追加組は最初にも書いた「カレンダー」。散々悩んだが14周年を前に「Twitter」復活。そしてプラグインだけは入れていた「Flickr」ウィジェットの三つ。

 削除組はWordPressの標準機能の月別アーカイブプルダウンリスト「Archive」、カテゴリープルダウンリスト「Category」、サイト内検索フォーム「Search」のウィジェット。

 編集組はページ送りを静的リンクからAJAXリンクに変更。1ページあたりの記事表示件数を13件から10件に変更。ポートフォリオ以外はそのページの最新記事と準最新記事の二つを拡大表示に変更。ウィジェット部分の色も少々見直し。あと「Showcase」のみデザイン変更。

 以上。と言う訳で、リビジョンを1上げて5.4.1.0にした。
 フッターも弄って、カテゴリやサーチ、アーカイブなんかは残そうかと思ったが、使われている気配が無いので削除した。まぁその辺は簡単に戻せるし要望が有ったら戻すと言う事で。
 正直、今まで以上にごちゃごちゃしてる感は否めないが……まぁどうしても我慢ならなくなったら、何かしら削る事にしよう。現状ではこれ以上は思いつかない。

■つーわけで

意外と早かったな……。
意外と早かったな……。
 Twitterに帰って来た。
 まぁずっと離れたままでは居られないだろうなぁ、とは思っていたし。いつかは戻るとは思っていたが、思ったより早かった。
 本当は同じような事をしている去年の13周年記念日(七月九日)に合わせて、14周年記念日にウィジェットごと復帰しようかなーとか考えてたんだけど、まぁ思いついちゃったし早々にウィジェットが欲しかったので、その場の勢いで帰還。
 また変わらずに独り言を呟く予定では居るけども……まぁ現状の生活環境を考えると更新宣伝で埋まる可能性の方が高い。
 他にも宣伝ツイートは画像入れた方が良いのかなーとかTumblrの連携しないとなーとか、ヘッダ画像選ばないとなーとか、色々有るんだがまぁ追々やって行く予定。
 兎も角暫くは実験が続きそうだな。
 「未消化のノルマを処理する」「実験もする」「両方」やらななくっちゃあならないってのが「管理人」のつらいところだな。覚悟はいいか? オレはできてる。

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