late spring
5月が終わり、梅雨が近付いてくる。つまりは春の終わりだ。
まぁ奄美とかすでに梅雨入りしてるから、確定で春が終わっている場所は結構あるけどな。東京だって、春らしさはすでに消えて久しい。初夏すら消し飛ばされてる感あるし。
■R.I.P.
先週、世を席巻した柴犬のかぼすちゃんが亡くなったそうだ。
推定18歳と聞くから、人間で言えば米寿。90歳近かったのだね。温かな家族に迎えられ、世界中の人々に愛されたかぼすちゃんはきっととても幸福なワンちゃんだったのだろう。
どうか安らかに。虹の橋の手前でも愛されてあれ。
■季節は巡るもの
冬期限定ボンボンショコラ事件、読了。
最初こそ、活字はもう読めないな〜などと嘯いていたが、普通に半日ぶっ通しで読んでしまった。面白い小説ってのはそういうものなのでしょうがない。ああ、しょうがない。
最後は先の展望をちょろっと見せつつも、これ以上は野暮でしょという読み手の想像力に任せる形だったのも実にらしいね。
ミステリの方面では寝台探偵になってて流石に笑ったが、小鳩くんのコンディションが最悪だったり過去の話という状況のせいか、俺でも犯人やトリックの目星が大体付く塩梅だった。
それでいて、完璧に予想通り! とはならなかったのが流石。
今作が小市民シリーズの長編完結作ということで、長編ではもう小鳩くんと小山内さんには会えない。……が、長編とわざわざ書いてるなら、短編で読める日が来るかもしれない。
大学生以降の二人と、もしかしたら短編で会えるかもね。
寂しさをそうやって紛らわせておくよ。
■時代は巡るもの
電子書籍とは、現代化した貸本であるという呟きを見て成程と思うなどした。
現状、多くは「期限未定の読む権利に金を払っている」という構造であるため、確かにある一面では電子書籍と貸本は非常に似通っているように思えるな。
先祖返りをしているというか、本を所有する時代ではなくなってる感が凄い。
貸本屋全盛の頃はそもそも紙の本は高級品で、ほいほい買えるようなものではなかったために隆盛したという話だが、現代は可処分時間の奪い合いの果てと見るべきか?
この先、やはり二極化していくんだろうか。
電子書籍は単話売りが主流になってどんどん安価になり、極一部の売れたものだけが紙の単行本になり嗜好品に近いポジション=高値で売られる。……みたいな感じで。
それは緩やかな破滅のようにも思えるが……貸本時代に回帰してるとするなら、次の時代への潮流なのかもしれないし。そうでもないのかもしれない。要はわからない。
一人前の編集者不足が叫ばれ、漫画家不足が取り沙汰され、何処も彼処も人材不足。
いつの世も、時代は混迷しているなぁ。