イレギュラーハンターX
あの「ロックマンX」のリメイク版、PSPでリリースされた「イレギュラーハンターX」。
買った理由は単純にロクロクことロックマンロックマンとの抱き合わせバリューパックが安かったから。あと、ロックマンX自体、当時結構遊んだから懐かしいなーというのもある。
買ったのもクリアしたのも大分前だし、アクションゲーム自体があまり得意ではないので感想文の質もそれに従う感じだが……まぁサクッと書いていこう。
■ストーリー
21XX年。
“レプリロイド”と呼ばれる完全に近い人間的思考を持ったロボットが次々と製造され人間と共存している世界……。
しかし、いかなる技術もレプリロイドの持つ危険性を無にすることはできず、電子頭脳に異常をきたし、人間を傷つける事件が多発していた……。そういったレプリロイドは“イレギュラー”と呼ばれ、彼らを取り締まり人々をイレギュラーの脅威から守るための組織、イレギュラーハンターが結成された。
「世界中のレプリロイド達よ! 武器をとれ! 今こそ進化の時だ!!」
イレギュラーハンターの中で最も優れた性能を持つレプリロイド「シグマ」がある日突然、世界中のレプリロイドに命令を下した。その掛け声が引き金となり各地で大規模な反乱が開始された。
シグマと同じ部隊であったイレギュラーハンター「エックス」はシグマの反乱を阻止すべく、親友ゼロと共に戦場におもむく。
未知数の運命が待ち受けているとも知らずに……。
正直、アクションゲームでストーリーは添え物というか、あれば盛り上がるし良質なストーリーがあるにこしたことは無いが、そこまで重視するものでもないと言うポジションだ。
その中でもイレギュラーハンターXは少々特殊な位置に居る。
つまり、リメイク前の「ロックマンX」とは結構ストーリーが違うという点。
ロックマンXはシリーズ化されストーリーも地続きで展開されていっている訳だが……先に書いたようにイレギュラーハンターXはロックマンXとストーリーが変わっているため、そのままロックマンX2やX3などには続かないであろう話になっている。
これはシリーズ化するならイレギュラーハンターXは似て非なる別の展開をさせるつもりだったのだろうと思ってる。まぁ売り上げの関係上シリーズ化は絶たれたも同然だが。
まぁリメイクにありがちな、ストーリーも含めてリブートしたけど売れなかったのでそのままお蔵入りという悲しい現実だ。……え? カプコンあるあるだろって? そうだね!
因みに最大の相違点はシグマがイレギュラー化した理由。
この辺は是非実際にプレイしていただきたいね。
■キャラクター
基本的な姿や名前などは変更無し。ただ、性格面が変更されているキャラが多くボス戦前の会話シーンやクリア後に見れるアニメなどによって旧作より大幅に肉付けがなされている。
この辺は開発に関わっている元ブレスチームの面目躍如という感じもするが、旧作の設定に慣れている人にとっては違和感があるかもしれない。特に8大ボスではランチャー・オクトパルドとブーメル・クワンガーの変わり様が目立ち、VAVAに至っては別物と言える程の変貌を遂げているし、シグマも目的意識が大幅に変わっている。
これら変更点はそのままストーリーの違いにもなっている為、一概に違うから駄目だ! という訳ではないし、正直な所個人的にはイレギュラーハンターXの方がキャラは好きだ。
■システム
基本的なシステムはほぼ変化無し。
原点回帰を謳うだけあって、X8などで培ったシステムは全て投げ捨てている。そのため、目新しさと言う意味ではグラフィックが3D化したこと以外にはぱっと見では分からないだろう。
ただし、同じなのは基本だけで、他は多数の変更が加えられている。
代表的なものとしては、まずエックスの強化パーツが配置されている場所は基本同じだが種類がシャッフルされている。また、ロックマンXでは強制取得だったパーツが選択出来るようになっており、後継作品と同じようにパーツ縛りなどもできるようになっている。
また、アームパーツに関してはこれまで演出の違いだけだったライト博士から貰うパーツとゼロから譲り受けるパーツに性能面でも大幅に差別化されている。
前者はこれまで通り「スパイラルクラッシュバスター」だが、威力が落ちた上に後方の衝撃波が削除されており、以前のような万能性が無くなっている。反対に後者はゼロから譲られたという経緯からゼロのチャージショットと同じ「ハイパーゼロブラスター」を撃つことが出来る。このハイパーゼロブラスターが範囲は劣るが威力が非常に高く、普通に弱点特殊武器当てるよりも強いと言う若干バランスブレイカーじみた威力を持つ。
まぁ、バランスブレイカーは波動拳という伝統の必殺技があるから今更だが。
ステージの構成が調整されており、シグマステージに至っては殆ど新規。
更にボスの行動パターンも複数追加されており、以前は最弱のボスとして有名だったアイシー・ペンギーゴがハードモードでは結構な強敵になっているなど、様々な調整がされてる。
そして、最大の変更点としてVAVAモードの追加。
エックスでクリアするとボスとして登場したVAVAが使用出来るようになる。
このVAVAモードがまた歯ごたえのある難しさで、ノーマルでもエックスのハードと同等かそれ以上の難しさ。ハードに至っては恐らくこのゲーム中最大の難度だろうと思えるほど。
余談だが、未だにVAVAのハードモードはクリア出来てない。鬼門のオープニングステージはクリア出来たが、ボスが一人も倒せなくて手詰まりという状態。いや本当に難しい。
まぁハードモードの名に違わぬ、ライトユーザーをぶち殺す難度。
他にも、ウルフシグマのグラフィックが若干改良されていたりと、様々な調整が入ってる。
■まとめ
総評としては、蘇った傑作と死んだシリーズ。
このゲーム自体の出来は極めて良い。往年の名作のプレイ感覚をそのまま現代に蘇らせたと言うだけでも希有なものだし、X8の手法で原点回帰させたのは素晴らしいと思う。
ロックマンXシリーズで一番遊んだのはX2だったこともあり、イレギュラーハンターX2に大いに期待したい所だが……まぁ売り上げ的に続編は絶望的と言う話が多いのが悲しい所だ。
このクオリティで宣伝をさっぱり打たなかったカプコンもどうかと思うが、まぁタイミングが悪かったと言う気もするしな。当時のPSPの普及率は驚く程に低かったと言うし。
シリーズファンなら買って損は無い。
横スクロールアクション、ロックマンの系譜をやったことがあるなら間違いなく楽しめる。
今なら値段も御安いので、サクッとアクション遊びたい人にオススメ。