Le vent se lève,

ds20131126.jpg
 il faut tenter de vivre.

 風立ちぬ、いざ生きめやも。
 という訳で、昨日の記事と冒頭の話題同じなんで、多くは語るまい。
 要するに、「風立ちぬ」見てきましたよ、と。

 以下、話題箇条書き。

 ・THE WIND RISES
 風立ちぬ、良い映画でした。
 かぐや姫が野心に満ちあふれたもう一つのジブリだとするなら、風立ちぬはこれまでの流れを汲むジブリの系譜上にあるとでも言いますか。正確に言うならば「紅の豚」の系譜ですかね。
 懸念だった声優、庵野監督ですが……吃驚するくらい違和感は少なかったです。
 プロの声優を使わない理由とされている「演技はあんまり必要ない」という奴はやはり、宮崎ジブリの絵だからこそ許されるというのがありますね。これが攻殻機動隊、あるいはハガレン、パプリカなどのアニメでは違和感しか出ないでしょうが、宮崎ジブリならば違和感が無い。それは、恐らく最近のジブリの描く世界は全て「日常だと錯覚させる」世界だからでしょう。
 どんな天変地異が起こっても、どんなファンタジーであろうと、それが夢と現の交錯した世界であっても、描かれる核は我々の(あるいは宮崎駿が見た)地味ながらも理想化された日常である。そしてそれを支えるリアルではないのにリアリティ溢れるジブリの絵が、それを可能にしている。
 写実的である事とリアリティがあるという事は、似て非なる概念なんだなと、ジブリを見ていると強く感じますね。宮崎駿は日常を見て、それを映画へと還元しているというのは、なるほど。まさしくその通りなのだなぁ、と風立ちぬを見て心の底から納得しましたよ。
 風立ちぬがこれまでの宮崎アニメと違うとすれば、それは現実の人物がモデルであると明言されている事ですが、それによって映画に付加されたのは「時代」というとても大きな要素だと感じています。但し、それで付随する戦争も閉塞した世相も、全ては背景に過ぎません。絶大な背景では有りますが、メインではない。
 メインはやはり二郎とカプローニが語る「美しくも呪われた夢」。
 そして「限られた時間に力を尽くして生きる」菜穂子と二郎の青春でしょう。
 描かれる生き様は、見る側に絶大な影響を及ぼしますね。(描かれているのが例えエリートのサクセスストーリーに近い物が有ったとしても)色々諦めてる俺でさえ、背筋を伸ばして生きたくなり、夢を追いたくなり、恋に落ちたくなり、愛を育みたくもなります。
 夢の中で始まり夢の中で終わる映画ですが、現実への波及力は侮りがたい物が有りますね。流石宮崎駿。そして、流石スタジオジブリ。改めて敬服しますよ、本当に。
 様々なパーソナリティが内包された主人公像やいかにも日本人の感性にブッ刺さる展開など書きたい事は色々浮かぶ物の、上手く纏まりませんね。自分の文章力の無さを呪いますよ。
 兎も角、表裏一体とも言えるかぐや姫と風立ちぬ、両方を劇場で見て良かった。その直接のトリガーになった「夢と狂気の王国」も含めて、素晴らしい流れで鑑賞出来てたのも良かった。
 後は撮り貯めてるNHKプロフェッショナルを見て、一連の流れの終局って感じですかね。

 ・256
 この記事で、「Daily scribble」タグの記事は256個目。
 つまり一年の七割更新は達成です。今まで気付きませんでしたが256とかとてもキリがいい数字ですね。ディスプレイの表示数的な意味で。……まぁ要するにPC関連ではキリのいい数字。
 本当は365の七割は255.5なんですけど、半日という区切りは設けてませんので。
 兎も角、目標の最小値は達成。もう躍起になる必要も無いな! という事で、少し更新頻度落とそうかなと考えてます。まぁ具体的には前にも少し書きましたが、隔日更新くらいに。
 まぁ12月入ってからその形態に移行するのが色々とスムーズかなぁという事で、11月中はなるべく更新する気ではいますが……。反面、島国大和さんが書いてた「Webサイトのアガリとは」という短い記事を思い出し、脳裏を頻繁に掠めているので、良くない兆候ですね。
 このサイトに関しては上記の記事で触れられている「アガリパターン」はどれにも当てはまらないんですが、まぁ件の記事でもこの「どうなったらアガリか」なんてものはそのサイトの目的に直結すると言外に書いてますし。そういう意味ではこのサイトのアガリは俺が死ぬか、活動を諦めるか、サーバー借りる事も出来ないほど経済的に逼迫するかした時ですかね。
 おお、本当に夢が無い。

 ・SDX
 皇騎士ガンダム……だと……?
 おいバンダイふざけんなwwwwと素で言ってしまいましたよ。
 順番が! 逆だろうが……!
 いやまぁ分かる。どう考えてもキングの方が売れるに決まってます。そんである程度お金回収してリサーチ取ってから試作品でも公開していた皇騎士持ってくる。完璧ですよ。
 序でに、カードダスの方でもブリティス王国の未来編やってる訳ですからね、そりゃ今しかないわな。ぐぎぎ……また積みを重ねるのか……!

>>今日のラクガキメモ
 かぐや姫を模写ったなら、こっちも模写るのが筋だ。
 って事でパンフ裏表紙の菜穂子さん。気合の入り方が違うのは、かぐや姫と菜穂子さんなら菜穂子さんが好きなのと、そもそもかぐや姫は模写るのが難しい(あるいは画力の差が直に出る)画風だから。じゃあこっちは簡単なの? って話だが、まぁ余裕で難しいですよね。
 つーかジブリ絵というのは簡素に見えて大分難しい。
 寧ろ簡素な物ほど絵というのは難しい。
 HAL研にエントリーする時に聞いた職場(俺はグラフィッカー志望だったので相手は当然去年入社したグラフィッカー)の方の話で、カービィを描くのが最も難しいという話を聞いた事があるが、まさにそれ。色々特徴が付きやすいごちゃごちゃした物の方が、絵にする時は結構楽。
 基準にする線が多いという事にもなるし、特徴が分かりやすいのはそれだけで絵にしやすい。
 逆に言えば、簡素な物にこそ個性や技というのは現れる。
 つまりは、浅い技術ならばその浅薄さが。熟達した技術にはその重厚さが透けて見える。
 ……かも、知れないな。
 ※今日のカメラフィルタ:青写真+ロモグラフィック。

関連記事

Slide to Top