ワークワーク

 既に公開を停止したジャンプ感想を除けば初の漫画感想文。
 初物には思い入れのあるものを、と言う事で生粋のジャンプっ子としては大きく影響を受けたドラゴンボールか封神演義を考えていたのだが、ここは捻りを利かせてワークワークにした。
 何故にワークワークかと言えば、まぁ撮影しやすい(=取り出しやすい所にあった)ということもあるのだが、それ以上にやはり藤崎竜という作家が好きだからだ。
 じゃあ何で代表作の封神演義を蹴ったのかという話になるのだが、まぁ撮影g(以下略)。
 兎も角、俺は藤崎作品が好きだ。
 その上で、ワークワークを選んだのはこの漫画が邪道に見せかけた王道作品だから。そして後述するが、とてもコンパクトに纏まっているからだ。
 まぁ、詳しくは本格的に語る続きを読んで下さいって事で。

 まずはこの漫画のあらすじ。

 砂漠が一面に広がる世界「ワークワーク」では、「黒い血の人間」と呼ばれる人々が集落を作って生活していた。
 村の外は多数の機械が黒い血の人間を抹殺するために徘徊しており、「防人」と呼ばれる戦士達が機械から黒い血の人間を守っていた。
 その世界に突如連れて来られた少女・松田は、ワークワークの住民にいつか救いを与えるという「赤い血の神」と呼ばれる存在であった。
 自らが置かれた状況も分からず途方にくれる松田を中心に、「防人」が各々の願いを叶えるために争い合う。
 (Wikipediaより引用)

 これだけだと、少し変わったSFファンタジー程度に受け取られるかも知れない。
 が、随所にフジリューテイストが鏤められ、某大型掲示板の用語などまで入り込み、最初に書いた邪道とも取れる「独特さ」が前面に出た漫画になっている。

 と、言う訳でこっから先は特筆する部分などに分けて記述。

・キャラクターデザイン
 この漫画、と言うよりはフジリュー漫画で毎回特筆されている部分。
 今作でもキャラデザに関しては一線級……というか、最早本職のデザイナーレベルにまで至っている気がする。まぁ早い話が一つの別格になってるという事。
 特に護神像という防人と共にある機械や、敵として描かれている機械のデザインが秀逸。
 漫画の魅力を構成するものをパーツとして考えるのならば、この部分はワークワークにとってかなり大きなウェイトを占めてる。正直立体化して欲しいくらいだ。
 また外見だけでなく、主人公シオを始めとして主要人物と言える防人の面々はかなり「濃い」キャラクターばかり。この辺もキャラデザの妙と言えると思う。
・戦闘描写
 これもキャラデザと同じくフジリュー漫画ではお馴染み。
 マイナス要素としてはやはりアクションシーンがカタい。
 そこをエフェクトでカバーするといういつもの感じ。
 戦闘の要素を彩るガジェットとしては護神像に「属性」があるという設定が一番大きい。
 また、共通項を持つ者同士が戦い、勝者は敗者の能力を持つ事が出来るというある意味カプコンのアクションゲーム「ロックマン」シリーズに近い味付けがされている。
・ストーリー
 様々な要素から、取っ付きにくい邪道な作品だと思われがちだが……中身は至って王道。はっきり言って、要素を変えてみれば話の大筋は昔から有るファンタジーと同じ。
 一番最初のドラゴンクエストなどに見られる、さらわれたヒロインを助けるというアレだ。まったく何から何まで一緒、という訳ではないが正に王道と言えるだろう。
・纏まっている
 打ち切り漫画、特にジャンプのような凄まじいスピードで切られる場合はどうしてもテンプレ通りの「俺達の戦いはこれからだ!」的な終わり方が多い。
 そんな中で、綺麗にオチを纏め広げた風呂敷を畳む漫画が稀にある。
 このワークワークもそう言った漫画の一つだ。
 連載が長期化しても酷い引き延ばしにあったりで、連載漫画というのは兎角終わるのが難しい。そんな中で綺麗に纏める事が出来ているというのはそれだけで魅力になる。
 読後感も爽やかなので、そこもポイント。

■まとめ

 総評としては、名作と言えば語弊があるだろう。けど佳作と言っても過言ではないと思う。
 取っ付きにくさや独特な味わいは人を選ぶけど、そこを少し越えると途端に虜になる。
 現在はコミックだけでなく文庫版も出てるので、個人的には文庫版がオススメ。
 文庫版最終巻には初期の読み切り作品やデビュー作、そして異例の読み切り作品「ぐりりんパンチャー」も収録されているので、若干高くなっていても相応以上の価値があると思う。
 後期フジリュー漫画の入門には長さ的にも丁度いいと思いますですよ。

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